フェイクミートという言葉を聞いた方、多いのではないでしょうか
ほかにも、培養肉、クリーンミート、ラボ(研究室)ミート、人工肉、食物性人工肉、食物由来の人工肉、ベジタリアン向けの肉・ベジタリアンミート、純肉、細胞肉、などはどうでしょう
どれも代替肉・クリーンミートを指す言葉です
代替肉といえば、アメリカのビヨンドミートやインポッシブルフードに注目が集まっています
オーストラリアのベジタリアンブッチャー社/国内では、専売契約を結んでいる株式会社ベジタリアンブッチャージャパンが、ハンバーガーパティの第2弾【MC2 NO CHICKEN PATTY 】(チキンパティ)を6月下旬にリリースすることが決定しました
代替肉のニュースは、これからますます増えることでしょう
そこで、気になるのが「代替肉」を表す言葉です
呼び名 | 食物性 | 動物性 |
代替肉・クリーンミート | 〇 | 〇 |
培養肉・純肉 | × | 〇 |
人工肉 | 〇 | × |
ラボ(研究室)ミート | 〇 | 〇 |
細胞肉 | 〇 | × |
食物性人工肉、食物由来の人工肉 | 〇 | × |
ベジタリアン向けの肉・ベジタリアンミート | 〇 | × |
フェイクミート | 〇 | × |
代替肉として使われる言葉の一部を、原料で植物性と動物性で分けてみました
これらの言葉は、どのように使われるのでしょう
先日放送された、NHKのニュース番組から紹介します
NHK【ニュースウオッチ9】から見る【代替肉】
2019年5月7日(火)放送された NHK NEWS WATCH9から
タイトルは【世界に広がる代替肉】
番組の中で、代替肉を次のように表現していました
世界に広がる植物由来“フェイクミート”
さらに、植物由来の代替肉、植物由来のパテ
培養肉、クリーンミート、人工肉などの言葉は使われていません
そもそも代替肉とはなんでしょう
代替肉とは?
代替肉とは何でしょう
まずはGoogleで【代替肉 Wikipedia】と検索します
すると
人工肉ーWikipedia が1位で表示されます
培養肉(Cultured meat)。動物から組織または細胞を取り出し、培養して得られる人工的な食肉。出典:Wikipedia
このように、代替肉と人工肉の意味は同じ、または曖昧なようです
冒頭で挙げた【培養肉、クリーンミート、ラボミート、アニマルフリーの肉、細胞肉、人工肉、食物性人工肉、食物由来の人工肉、ベジタリアン向けの肉・ベジタリアンミート、、純肉など】これらの言葉も同じように使われますが、なぜでしょう
そこには、代替肉を推進する側の事情があるようです
「培養肉」と同じ意味で使われる「クリーンミート」について
「クリーンミート」とGood Food Institute
2015年に設立されたGood Food Instituteは動物性食品の消費から、代替肉やクリーンミートへの切り替えをプロモートするために立ち上げられた非営利団体です
その目的は動物の犠牲を減らすことにあります
同団体の創設者であるBruce Friedrichはもともと毛皮のファッションショーへ抗議するなど直接行動的な動物の権利活動家でしたが、より効果的に動物の犠牲を減らすために同団体を設立したといいます
消費者の食欲を刺激する呼び名ということで「代替肉」から「クリーンミート」という呼称を推進しています
ではなぜ、代替肉が求められるのでしょうか
代替肉が求められる理由
以前、代替肉(人工肉)が求められる理由について紹介しました
①健康志向
②環境保全
③動物愛護
これらの要因があり、代替肉の研究・開発が進んでいるのですが、呼び名が問題になっています
代替肉を推進する側は「クリーンミート」と呼んでいますが
食肉業界と家畜のえさとなる穀物を作る業界の人々は、その呼び名を「フェイク」だと考えます
さきほど紹介したの、共同創立者で事務局長を務めるブルース・フリードリッヒは次のように言います
問題は「肉の定義」からくる「肉」という言葉
培養肉の研究が進んでいる、アメリカの事情をみてみます
アメリカ畜産協会広報担当者「Plant-baced meat(植物性の肉)」という言葉は、消費者の混乱を招く。肉とは、伝統的な方法で、動物の肉からとられたタンパク質食品にのみ使用される言葉だ。」としています
アメリカのミズーリ州では全米で初めて、肉代用食品を「meat(肉)」として販売することが州法で禁止されました
アメリカでは新しい食品が市場に出回るときには、農務省(USDA)が呼び名を決めます
業界最先端のスタートアップ企業によると、食肉の代替製品は早ければ2021年にも店頭に並ぶ予定だそうです
日本での「代替肉」の呼び名は?
ベジタリアンブッチャー社公認の通販会社「グリーンカルチャー株式会社」HPには、ベジタリアンブッチャー社について、次のように記載されています
【ベジタリアンブッチャー社とは、世界初のクリーンミート専門店として産声を上げたオランダの企業です。】
それに対し、ベジタリアンブッチャ―と専売契約を結んでいる、株式会社ベジタリアンブッチャージャパンのHPでは
【オランダ発のベジタリアンブッチャーは、世界で初めてベジタリアン向けの肉屋を2010年にオープン(中略)ベジタリアンミートの販売】
このように、代替肉(クリーンミート)を表す言葉に違いがあります
正確には、「クリーンミート」=「ベジタリアンミート」ではありません
まとめ
国内で、代替肉にいろいろな呼び名をつけるのは何故でしょう
それは、欧米などでまだ決まっていない、議論の最中だからではないでしょうか
日本ではクリーンミートという言葉よりも「食物由来の○○○」の方がわかり易いのいため、あまり使われないのかもしれません
ビヨンドミートなどが話題になりましたが、記事の見出しは
「食物由来の人工肉、ビヨンドミート!」
「食物性のお肉を作る、ビヨンドミート」
など、確かに消費者の食欲を刺激する呼び名ですね
「ビヨンドミートからの培養肉が日本上陸!」
「細胞肉のハンバーガーパテが日本で発売!」
では、手が伸びないかもしれません
代替肉の呼び名は、まだまだ混乱しそうですが、肉に替わる食材の呼び名という意味ではおなじですよね
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