ビヨンド・ミートの日本での販売を控え、関心が高まる人工肉
そもそも人工肉とは、植物などを材料にした食肉代替品で、動物から組織や細胞を取り出し培養して作る人工的な食肉も含まれます
その人工肉を開発した企業の商品のカロリーを比較してみました
食物由来の人工肉のカロリーとタンパク質を比較
名称 | 出典 | パテ1枚当たりの重さ | カロリー | 100g当たりのカロリー | タンパク質 |
ビヨンド・ミート | ビヨンドミート | 113g | 270kcal | 238kcal | 20g |
インポッシブルバーガー | インポッシブルバーガー | 113g | 240kcal | 212.4kcal | 19g |
ベジタリアンミート | ベジタリアンブッチャー | 80g | 169kcal | 211.3kcal | 15.2g |
えのき茸バーガーパティ | アースフィールドジャパン | 80g | 86kcal | 107.5kcal | ※1 |
ゼロミート デミグラスタイプハンバーグ | 大塚食品 | 140g | 189kcal | 139.8kcal | 15.5g |
ハンバーガー(1個あたり)※2 | 日本マクドナルド | 104g/1個 | 256kcal | ー | 12.8g |
※1 HPに記載がなかったため
※2 日本マクドナルドに問い合わせたところパテ1枚当たりの栄養素の情報は開示しないとのこと
なぜ食物由来の人工肉のカロリーは高いのか
動物性の原材料は一切使わずに、食物100%で牛肉の風味、香りなどをにせるためには、ジューシーな肉汁や脂身にオイル(食物性)を使うため、カロリーが高くなります
ビヨンド・ミートの主な原材料
ビヨンド・ミートは、牛肉の分子構造をMRIにかけ分析し、牛肉の食感に近いエンドウ豆のタンパク質の成分などすべて植物から作られ、脂身はココナッツオイル・圧縮キャノーラ油・サンフラワー(ひまわり油)で「代替肉汁」が再現されています
肉の赤身らしい色には、赤かぶ(ビーツ)の色素を使っています
ビヨンド・ミートの日本での発売についてはコチラから
ビヨンド・ミートの今後の課題
ビヨンド・ミートは少々値が張ります
アメリカでは、パテ2枚入り(約113g×2)5.99ドル(約660円)
ビヨンド・ミートは、5年後に少なくとも一つの製品(おそらくビーフ)を動物性のものより低価格で提供することを目指しています
販売の拡大に伴いサプライチェーンが成長し、エンドウ豆などの原料のコストが下がるそうです
インポッシブルバーガーの主な原材料
人工肉の先駆「インポッシブル・フーズ」が開発したインポッシブルバーガーは、大手ハンバーガーチェーンの「バーガーキング」が採用したことで話題になりました
おもな原材料は水、大豆のタンパク質、ココナッツオイル、などです
インポッシブルバーガーの今後の課題
インポッシブルバーガーもビヨンドミートと同様、価格の高さが課題です
市販の牛肉より安価にすることを今後の目標としています
ベジタリアンミートの主な原材料と今後の展開
ベジタリアンミートは、近年急成長を遂げている、オランダ発の食品メーカー「THE VEGETARIAN BUTCHER」(ベジタリアンブッチャー)が開発しました
主な原料は大豆です
国内では株式会社ベジタリアンブッチャージャパンが専売契約を締結
(画像は第2弾の鶏肉のぱてぃを再現した”MC2 NO CHICKEN BURGER PATTY”)
2019年6月下旬には、チキンパティをリリースすることが決定しました
えのき茸バーガーの原材料
株式会社アースフィールドジャパンのえのき茸バーガーのパティのカロリーが低い理由は、低カロリーな「えのき茸」が主要原材料の4割(えのき茸37.1%、水分25%、たまねぎ20%)を占めているからだそうです
ゼロミート ハンバーグの主な原材料と展開
2018年11月発売、大塚食品のゼロミート、こちらは製品の状態にもかかわらず低カロリーです
主な原材料は大豆、いわゆる「ソイミート」で、肉のような食感や味、香りを実現しているのが特徴です
「肉じゃないのに、そこそこ美味しい」がキャッチフレーズ
2019年6月18日(火)ソーセージ発売
まとめ
注目の人工肉を扱う企業の商品をカロリーで比較してみましたが、いかがでしたか
植物由来の人工肉のカロリーに「えっ!」と、思われた方も多いかもしれませんね
そもそも人工肉は、肥満対策(紹介したように、必ずしもカロリーが低いとはいえませんが)、環境対策、食糧不足、ビーガンやベジタリアンの要望に応えるなど、様々な理由で開発が進んでいます
植物由来のスウェーデン風ミートボールを開発中のイケアは、来年はじめ(2020年)に消費者試験を実施する予定だそうです
また、食物由来の人工肉だけでなく、肉の細胞を培養して大量の肉を生産する開発も進んでいます
人工肉は、私たちの食生活だけでなく、地球環境を左右する存在になるのでしょうか